あたりまえ という奇跡

こころの部屋

豊かさの継承

日本ではあまり知られてませんが、東洋医学のひとつに鍼麻酔という分野があります。

メリットとしては投薬をしないため副作用なく意識を保ったまま痛みを緩和できるので、外科手術時のほか末期ガンの方や出産時など、あまり薬剤を使用できない方に有用で、これまで終末医療を受けている方のケアーをする機会が何度かありました。基本的に医療施設でなくご家庭でご家族と生活している方が多かったのですが、どの方も共通してたのが、向上心があり人間的にも豊かでとても魅力的だったことです。

私が同じような体験を最初にしたのは学生時代に母親が病で亡くなった時でした。病院に入らず過ごした病症末期の2年ほどは体力は消耗していたものの、晩年の親と過ごす時間は、これまでの人生のなかで最も密度が濃くゆっくりとした時間の流れでした。

よく「時間は命」と語られてますが、不必要なものが断捨離され、価値感の序列上位のみに生きるとき、時間はその歩みを緩めてそれが成し遂げられるよう見守ってくれる様にも感じます。    
そして終焉を迎える方が最も大切にしているのがご家族との深い絆であり、物やお金でない日々あたりまえの安らぎでした。

介護が必要な家族を持つ家庭は普通に生活するだけでも確かに大変な面もありますが、日本には古くから「家庭は家族みんなで作りあげていくもの」という価値観があるように、、終末期の人にしか分からない、様々な気づきや豊かさの本質が、ともに過ごした家族にも伝わり家庭を幸福へと導くのではないかと思います。

人それぞれに志事や人生の目的は違いますが、健康・家庭・時間というお金にかえがたい豊かさを、人生の時を通じて享受しつつそれを後世へ伝えることが、あるいみ人生最大の成功ではないかとも感じます。

現在、急激な社会環境の変化のなかで、生活が変化された方も多いと思いますが、みなさんとみなさんのご家族がより豊かで健やかな時をともに過ごせますように♪

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今、この瞬間幸せでいましょう。

それで十分です。

その瞬間、瞬間が、私たちの求めているものすべてであって、他には何もいらないのです。

マザー・テレサ

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