はじめに
これまでのMTF分析における各時間足の波の捉え方とエントリー損切りについての基本を押さえたところで、今回は今どの波のトレンドがでているのか?を明確にしてその波の天底で捕らえる「波の把握力」を手に入れます。
そうすることで損益率が大幅に改善され同じエントリーポイントでも10Pips早くは入れたり損切り幅も狭くできる様になり、より的確なエントリーと決済が出来るようになります。
今回の内容は「実践ダウ理論」の基礎をある程度理解していないと少し難しめになってますので、まだ学んでない方はこれまでの解説を十分理解した上でご覧ください。
実践ダウ理論では「ダウを安値を切り上げると高値を越える」という前提でプライスが動きます。
ただダウカウントの仕方が相場とずれていればそもそも環境認識も成り立たないので、自分よがりの主観でなく多くの市場参加者が意識している高安を把握することが前提となるので、日々の筋トレでのダウカントを継続して正しい相場観を養っていくことが最も大切になります。
では実際にやっていきますが、MTF分析においてはまず、
獲物となる時間足を捕らえる
つまり「どの波でダウが継続しやすいのか?」がとても重要になります。
・どの時間足で安値が切り上げやすくなるのか?
・どの時間足で高値を越えることを前提で動きだすのか?
・どの高値を越えたら高値を越えたとみなすのか?
この上記3つのポイント+移動平均線を補助としてマルチタイムフレームで考えると、
どの高値を越えたらどのくらい動きそうな波なのか。が分かってきます。
ではまず、上の日足において、
先ずどの高値を越えると安値を切り上げやすくなるのか?を探すと、何度も上を試すが戻され越えられない攻防ラインがあり、この上に買いの注文が集中があることが分かります。
そして、節目を上抜ける前の①の時点では攻防ラインに抑えられ再度下落する可能性もありましたが、注文が集中している節目を明確に越えたことで売りの損切りと買いの新規注文が入り、その後②で再度節目に押目をつけ「下がっても買いが入りやすくなる」相場環境になったことが分かります。
次に一つ落とした4時間足で見みると、
ここでも注文が集中している①の節目を明確に越えたことで下がっても買われやすい相場環境となり、②の再度節目に直撃の押目を付けた時点で、売りの損切りと買いの新規注文が入り上昇しますが、4時間足においては③に売りと買いの攻防ラインがある為、高値を切り下げ戻されるリスクがありまた。 しかしその後④の戻り高値を越え4時間足でトレンドが確定したことでその後も下がっても買われやすくなっている様子が分かります。
では更に一つ落とした1時間で見てみると、
売りと買いの攻防ラインつまり注文が集中しているところを見ていくと、
①にカウンターライン(斜め線)を引くことができ、ここを抜けることで売りの損切りと買いの新規注文が徐々に入り始めますが、②の戻り高値の節目の手前においてはまだ戻り売りが出ることが考えられます。しかしこの戻り高値の節目を越え1時間の像場環境が上目線となり多くの損切りと新規注文が入りだし陽線が大きく伸びているのが分かります。
そして、この1時間の戻り高堰を越えたことで今度は「高くなったら安値を切り上げやすい状態」となり、ここで漸く1時間、4時間、日足が全て安値を切り上げやすい状態になった事が確認できます。
ですから、③の節目直撃の段階では既に安値を切り上げやすい状態なので押目を作り、④の高値を越え1時間の上昇トレンドが確定したことで、上昇の波が4時間と日足にも波及して大きく伸びていることが分かると思います。
この様に「マルチタイムフレーム(MTF)」で相場を考えることは、同時に複数のことが出来る人には得意分野ですが、一つのことに集中すると周りが見えなくなる人にはかなり苦手な分野でもあるので、 その様な人は先ず
・1時間足だけで安値が切り上げやすい状態なのか?
・どこの高値が意識されているのか?
・高値を更新することで動きやすくなる状態なのか?
を、完全に把握できるまで筋トレを続けてみてください。
「完全」とは、少なくとも1時間足だけでいいので朝の相場解説の動画とほぼ同じことを考えている状態です。
エントリーの底を考える
ではここから少し難しいですが、今回の「エントリー編」の本題に入ります。
つまり、今までの解説でお分かりの様に、どの波が高値を越えることを前提で動くかが分かれば、
高値を越える前提で動く瞬間を下位足で捕らえることが出来るということです。
ではこれまでに説明した1時間、4時間、日足のチャートで説明すると、
まず1時間では、①の攻防ラインと②の戻り高値を抜けたことで高値を切り上げやすい3波起点の状態となり、
続いて、日足においても初抜け初押しの直撃節目で3波起点となっていることが分かります。
そして4時間でも初抜け初押しの3波起点であることから、1時間が3波起点の状態になったことで、
現状日足高値を越える前提の後押しがある4時間の優位性の相場であることが分かるかと思います。 そしてこれらの相場環境から、よりリスクリワードが良い「最小単位のエントリーポイント」を特定していくことが、今回のMTF分析におけるエントリーの狙いになります。
最小単位のエントリーポイント
今回は4時間の優位性を狙ったトレードになるので、4時間環境足の一つ下の1時間足がトレード足になります。そしてエントリーは1時間の押目にける一つ下の15分の高値越えが最小単位のエントリーポイントになります。
では実際にチャートを用いてエントリーポイントを特定していくと、
まず上の1時間足の3波起点の③の位置で押目を付け始めたら、一つ下の15分足に切り替えます。
すると、上の図の様に15分足では売り注文と買い注文を隔てている水平ラインの節目の上に斜めのカウンターラインを引くことができ、このラインの上に15分足の注文の集中がある事がうかがるので、このラインを実体で抜けたところが最小単位のエントリーポイントとなります。
まとめ
この様にマルチタイムフレーム分析によるエントリーの技術は、各時間足の方向と勢いを把握しつつどの時間足の波を取に行くのかを明確にすることが大切で、
環境足における押し目戻し目において、下位の時間足でエントリーポイントを探すことで、よりリスクリワードが良いトレードを行えるようになります。
今回の例の場合、4時間優位性のトレードに波及するにはエントリー後に15分、1時間、4時間の各足の高値を越えることが必要ですが、各時間足の高値を越えずに切り下げてくる場合でも、より利益を残せる可能性も高いというメリットが分かると思います。
今回はMTF分析によるエントリーの技術でしたが、「決済の技術」については改めて別の投稿にて言及していきます。
なお、今回の解説は個人的な見解も多いため「ここは違うよ!こう説明するといいんじゃない?」といったご意見がありましたらコメントを頂けるととても嬉しいです。
今回もご覧いただき有難うございましたm(__)m
より詳しく学びたい方へ
以下の解説動画においては、今回の解説したMTF分析による様々なエントリーパターンについて、より実践的に詳しく解説されていますので、以下のリンクからぜひご覧になってください。
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